2016年2月27日土曜日

膝の痛みの最新治療「人工膝関節置換術」


先日のワールドビジネスサテライトの「治る!最前線」というコーナーで放送されていた、東千葉メディカルセンター(千葉・東金市)で行われている、膝の痛みの最新治療が興味深かったので紹介します。私の母も膝の痛みに苦しめられていて、長距離を歩くことが困難な状態です。買い物に行くのもやっとで、旅行はもう何年も行っていないようです。何とかしてあげたいものですが、手術は怖いとのことで・・・。
変形性膝関節症とは


加齢や肥満などが原因で、ひざの関節の骨と骨の間でクッションの役目をしている軟骨がすり減り痛みを引き起こす病気です。
現在、国内の変形性膝関節症の患者数は約2500万人で、そのうち痛みのある人は1/3程の800万人です。多くの人が気付かずに病を悪化させてしまう危険性を抱えています。


患者は50代。立ち上がると左の膝が痛み、わずか10分も歩くことができません。「朝起きて布団から出る時から支えがないと立てない。立ったり座ったりが不自由。痛みから開放されたいです。」と語ります。
患者の膝の画像です。骨と骨の隙間が内側は外側に比べて極端に少なく、軟骨がなくなって骨と骨がぶつかり合っている、すでに末期の状態です。
人口ひざ関節置換術
今回行われる治療が「人口ひざ関節置換術」というひざを人工関節に置き換える手術です。

人工関節は体に害が少ない金属チタンとポリエチレンで作られています。このポリエチレンが軟骨の役割を果たし、人間のひざの関節と同じように動く仕組みです。
治療の流れ

治療はひざの上側と下側の骨を削り

すり減った軟骨ごと取り除く

そこに人工関節を入れます。


今回使われるのは最先端の人工関節です。これまでとの一番の違いはポリエチレンで作られた部分にビタミンEが配合されていることです。


体に入れた人工関節は常に体内の酸素にさらされた状態になります。これまではポリエチレンが体内で酸化してしまい耐久性は15年程度で、後に再手術で人工関節を交換しなければならないことも多かったのですが、再手術は負担が大きいです。



耐久性を伸ばすために、ポリエチレンに抗酸化作用を持つビタミンEを配合。体内での参加を防げるため、その耐久性は20年~30年程度に伸び、再手術のリスクが減ります。


実際の手術では、まずはメスを使って膝の前側を15cmほど切り開きます。続いて医療用の電動のこぎりで、ひざの上下の骨を削ります。人工関節の金属の部分を患者に挿入し、ハンマーで叩きしっかりと固定します。最後にビタミンE配合のポリエチレンをはめ込んで、1時間半で治療は終了です。
治療後はリハビリを続け約2週間で退院できます。患者さんは、立ち上がった時から「ズキーン」と出る痛みとずっと毎日暮らしてきたが、そういう感じの痛みはないので良かったそうです。


手術後のレントゲン写真です。治療前傷んでいた膝の関節が無事に人工関節に置き換わりました。この治療には高額療養費制度が適用され、実質負担は10万円程度です。

東千葉メディカルセンター整形外科副部長は「人工関節の耐久性が伸びて1回の手術でいいと考えると、適用年数が若くなるので若くて膝が痛い患者も我慢しなくていい」と語ります。


〈ひざの痛み〉変形性膝関節症を治すコツがわかる本

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